【債権法改正メモ】473条の新設

改正点:

債務者が債権者に対して弁済をしたときに債権が消滅する旨の規定が挿入された。

【現】

規定なし

【新】

(弁済)

第四百七十三条 債務者が債権者に対して債務の弁済をしたときは、その債権は、消滅する。

【メモ】

法制審の資料によれば(新)473条が規定された趣旨は次のとおりである1

  • 弁済によって債権が消滅するということは,民法上の最も基本的なルールの一つであるが,そのことを明示する規定は置かれておらず,現行法上は弁済に関する規定が「債権の消滅」という節に置かれていることから弁済が債権の消滅原因であることを読み取ることができるのみである。
  • 基本的なルールはできる限り条文上明確にすることが必要であるという考慮に基づいて,弁済によって債権が消滅するということを(新)473条で明文化した。

【関連情報】

(現)473条は「無記名債権の譲渡における債務者の抗弁の制限」に関する規定が置かれているが,この規定は削除された。

(無記名債権の譲渡における債務者の抗弁の制限)

第四百七十三条 前条の規定は、無記名債権について準用する。


  1. 民法(債権関係)部会資料39・1頁